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vol.191【増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」第52回 事業も子どもも育てるもの】



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Vol.191           2023.7.11 
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起業支援ネットワークNICe https://www.nice.or.jp

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このメルマガは、NICeの活動に参加された方々、
またはNICe代表理事・増田紀彦と名刺交換をされた方々、
および全国の起業家、経営者、農林水産事業者、起業・創業希望者、
地域振興関係者、中小企業支援・創業支援機関、一次産業支援機関の方々へ送信しています。

  ┃目┃次┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 
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【1】シリーズ増田紀彦の
  「ビジネスチャンス 見~つけた」

  第52回 事業も子どもも育てるもの
   
【2】先輩経験談 
   あるある!ピンチ&リカバリー

  第45回 三ッ口洋一さん(愛知県)
  

    
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増田紀彦の「ビジネスチャンス 見~つけた」

 第52回 事業も子どもも育てるもの
 
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とにかく暑い。
東京は連日、真夏日だ。

子どもの頃は、「夏になる=学校が休みなる」だったから、
気温が上がってくるとワクワクしたものだが、
老体となった近年は、暑くていいことなんぞひとつもない。

もちろん、屁理屈を捏ねれば、いいことは捻り出せるし、
ビジネスチャンスの観点で言えば、むしろいいことだらけだ。

厳密な話をすれば、
気温上昇をネタにしたビジネスで成功したところで、
気候変動に目をつぶり続ければ、
そんなビジネスの利潤など吹っ飛ぶほどの損失が、
世界中に広がっていくことは間違いない。

この時代、
ぽろっと口から出る「暑い」という言葉の意味はとてつもなく重い。

さて、気候変動問題は別の機会に譲るとして、
今時の子どもたちは、待ち遠しい(はずの)夏休みに、
いったい何をしているのだろうと、興味が湧いてきた。
いや、興味が湧いたというより、ちょっと気になった。

楽しめているだろうか?
創造力や自主性を伸ばしているだろうか?
コミュニケーション力に磨きをかけているだろうか?
いい思い出をたくさん作っているだろうか?

夏休み中の私は、登校日とラジオ体操の時間を除けば、
あとはすべて自分がしたいことを、したい時にしていた。

たかだか1か月程度の自由時間ではあるが、
成長期の子どもにとって、
その1か月は大人の何年分にも匹敵する重要な時間だ。

私と森、私と川、私と海、
私と草花、私と昆虫、私と小動物、
私と友達、私とよく知らない大人、
私と商店、私とご近所さん、
私とお寺、私と神社、私と町工場、
私と本、私と駄菓子、
私とバット、私と自転車、
私とノコギリ、私とマッチ、
私と秘密基地、私とテレビ、
私と弟、私とお金、
そして私と私自身……。

親も教師もそこには介在しない。

向き合う物や事や人に対して、
どう接し、どう扱い、どういう結果を出すか、
すべてを自分で考え、自分で決め、
自分で動き、自分で働きかけ、
泣き、笑い、浮かれ、落ち込みながら、
処世の基礎を体得していったと自負している。

今時の子どもたちに、そういう時間や空間が、
果たして、どれくらい確保されているのだろう?

きっと、そういう時空間が自然発生的に広がることは、
もはや望めない気がする。
時代は変わるのが当たり前だ。

だから、意識の高い保護者や教育機関、地域などが、
意図してそういう時空間を用意することになるわけだが、
そこに一枚加わるべきなのが、企業や起業家だ。

何も立派な活動である必要はないと思う。
自らの経営資源を子どもたちのために有効活用できればいい。

とある飲み屋は、
常連客たちの御勘定に際し、
別途300円のお食事券の購入を勧めている。

客が買ったチケットは、店の壁に貼り付けられる。
翌日、店を訪れた子どもは、そのチケットを剥がして店員に渡す。
無料でカレーライス一皿が提供される。
子どもの居場所を、大人の経済活動が支えている。

とある駄菓子屋は、
店の奥にある一間を、
子どもたちが自由に過ごせる空間として開放している。
宿題に取り組む子ども、ゲームに興じるグループ、いろいろだ。
時折、子どもたちは部屋から出てきて、駄菓子を追加購入する。
お得意様を抱え込んでいるようなものだ(笑)。

かたや政府も子どもの居場所作りを推進しており、
居場所を設け、運営する「大人」に対し、
助成金や補助金をあてがっている。

それでいいのだろうか?
そこに持続可能性と愛はあるのだろうか?

「補助が終了したから居場所は閉鎖。ごめんねごめんねー」。
そんな大人の事情を突き付けられた子どもは、どう思うだろう。
何を学ぶ(学んでしまう)のだろう……。

子どもの居場所作りこそ、創造的であるべきだ。
大人(事業者)の知恵と資源を生かして作った居場所であれば、
制度や資金支援の有無に一喜一憂することはないし、
何より、「物事は、こうやって作り出すんだよ」という、
素敵なメッセージを子どもたちに届けることができる。

「でも、子ども相手にそんなことをしても、儲からないよ」。
そう、指摘する人もいるだろう。

私もそう思う(笑)。

この取り組みは長期戦略に基づくものだ。

感謝の気持ちを抱き、創造力を刺激された子どもたちが、
やがて青年になり、大人になる時がくる。

その時、彼ら・彼女らの中から、顧客になる人が必ず現れるし、
スタッフや応援団になってくれる人も出てくるだろう。

言ってみれば、子どもの居場所作りは、投資である。

事業も子どもも、じっくり育ててナンボのものだ。



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「先輩経験談 あるある!ピンチ&リカバリー」

第45回 退職金を使い果たすも、身内や運が味方に。
心の整理で起業動機も人生観もクリア&さらにパワーアップ

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起業したては誰もが新人。独立してから遭遇する、
始動して初めてわかる、直面するピンチや悩みの数々。
そんな「起業あるある!」事例から学ぶシリーズ。

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 三ッ口洋一さん 2014年開業
 愛知県名古屋市
 
 Team N+1 代表 メディアクリエイター
 https://team-nplus1.com/

 
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出版社や新聞社に30年勤務し、中小企業の経営者たちからの
相談や要望にもっと応えたいと、
キャリア・経験・人脈を活かして独立した三ッ口さん。
名古屋をはじめとする東海エリアを中心に、
中小企業のPR・広報をサポートする事業を展開している。

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「中小企業のみなさんが、どんなに素晴らしい経営者でも、
どれだけいい商品やサービスを持っていても、
それらが世に知られてない、PRできていないことが惜しくて、
もったいない!とずっと思ってきました。

それで、新聞記者時代から、中小企業を応援するための、
セミナーの企画やコーディネートに取り組むようになったのですが、
会社の看板があるからできることより、
看板があるからできないことのほうが増えて来た53歳の時に、
『自分の体力知力はあと何年ぐらいフルに活かせるか』と自問して、
のんびりしておれん!したい仕事をフルにやりたい!と、
退職して独立しました。

最大のピンチは、退職金を食いつぶしていて、
それが妻にバレた時。最初は怒り心頭に発していましたが、
ありがたいことに、多少の貯えの中から資金を出してくれました。
独立して4、5年の頃だったと思います。
実はそれでも足りずに、父にも頭を下げて借りました。
これが、1回じゃ無いのです。3回ほど、ありました。
2回3回ともなると図々しくなる半面、
自分を責めるようにもなり、
出来ることは何でもしようと考えるようになり、実行しました。

例えば、感謝の気持ちが足りないのではと、
毎晩周囲の人の顔を思い浮かべて感謝の言葉を唱えたり。
一番効いたのは、心の整理ですね。
今も元気で暮らしていますが、
親に言い忘れた大事なことはないかと考え、
小3の時に運動会の1等賞の褒美におもちゃを買ってもらう約束をして、
1等ではなかったのに嘘ついて買ってもらったことがあり、
それが引っ掛かっていたので、親父に正直に詫びました。
『そんなことあったっけ?』と言ってくれましたけれど、
それですーーっと気が楽になったのです。
母親には、子どもの頃に弟ができた時、我慢していたけど、
本当はもっと甘えたかった、と言って、
59歳の時に頭をなでてもらいました。
笑い話にしてもらっていいのですが、
生き方も仕事も、いかに自分らしく、
価値観や存在意義に沿っていられるかが大事だなって。

数字を意識して仕事をした年もありましたが、
確かに売り上げは伸びたけれど、気持ちがね、楽しくなかったのです。
そもそも、中小企業を応援したくて起業したので、儲けのためじゃない。
どうすべきか、ではなく、自分がどうしたいか。好きか、楽しいか。
それを軸にすれば、全力で打ち込めるんです。

これからも、人や世間が何と言おうと、
自分も人さまも喜ぶこと、心が気持ち良いかどうかを大切にして、
日々の仕事に取り組んでいこうと思います」


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   あなたの挑戦を応援しマッスー☆
      ワンポイントガイド
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なるほど。そういうことだったんですね。三ッ口さん
は、いつも誰かの応援に心血を注いでいて、自分自身
の商売には、いま一つ熱心じゃない印象があり、いっ
たい、どうやって食っているのかと不思議に思ってい
たのですが、まさか、ここまで無茶苦茶な金銭管理状
態だったとは(笑)。しかし、そんな裏事情を臆せず語
れる三ッ口さんは、すごい人ですね。還暦近くになっ
て親に詫びたり甘えたりしたことも、普通なら他人に
は話さないでしょう。この開示力が、彼の武器なのだ
と思いました。キレイ事を言わず、自らを赤裸々にす
ることで、相手の信用を勝ち取る。メディアクリエイ
ターである彼の真髄を垣間見た気がします。仲間とし
ては、できることなら、もうちょっと資金繰りにも目
を向けてほしいところですが、彼の生き方を邪魔した
くもありません。むしろ、自らの信条と使命に沿って
力を尽くせば、自ずと道は開けていくような気がしま
す。とにかく、三ッ口さんを見ていると、「人生どう
にかなる」という言葉が浮かんできて、心が安らぎま
す (笑)。ありがとう。(ますだ)



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 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃編┃集┃後┃記┃ ┃  
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先輩経験談に登場いただいた三ッ口さんに、
初めてお目にかかったのは2012年4月、
名古屋で開催された中小企業ビジネスの祭典「N-1グランプリ」でした。
復興支援の一環として、NICeは無償提供いただいたブースで
東北の名産品を販売したり、増田代表と東北の仲間が登壇し、
講演もさせていただきました。
そのイベントを仕切り・盛り上げる、実行委員のおひとりが三ッ口さん。
終始笑顔で、落ち着きのあるお声と気さくな話し方。
とってもダンディ!なのですが、長いお耳の、
うさぎの被り物が抜群にお似合いだったことも忘れられません。

次号の「つながり力で起業・新規事業!」NICeメルマガは、
7月21日頃の配信予定です。
(NICe広報・岡部)
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